かぎ針でバッグを編むなら、糸選びで9割決まる。春のトートキットを選んだ理由

かぎ針でバッグを編むなら、糸選びで9割決まる。春のトートキットを選んだ理由
春になると、持ちものを見直したくなります。

軽やかな服に着替えて、重いコートもしまった。

でもふと気づくと、バッグだけが冬仕様のまま——という方、意外と多いのではないでしょうか。

せっかく身軽になった春の装いに、ちょうどいいバッグがない。かといって、既製品でしっくりくるものも見つからない。

そんな方に、かぎ針編みという選択肢があります。

今回は、miconoでご用意しているキットについて、この糸を選んだ理由をお話しします。

バッグを編むときの「あの手の痛さ」について

お店をやっていると、かぎ針でバッグを編んだことがある方から、こんな話をよく聞きます。

「編み終わったあと、手首がだるくて。」
「親指の付け根がじんわり痛くなるんです。」

バッグに使われるクラフト系の糸は、強度を出すために固いものが多く、長時間編んでいると手にかなりの負担がかかります。

形がしっかり出るのはその固さゆえなのですが、完成の喜びと引き換えに手の疲労感も残る——それが「バッグ編みあるある」としてニッターさんたちの間に広くあることを、私はずっと気にかけていました。


この糸を選んだのは、その問題を解決したかったから

このキットに使用しているのは、ノルウェーのブランド・サンネスガルンのティック リーネという糸です。

コットン、ビスコース、リネンのブレンドで、バッグ向けの糸としては異色の存在です。

リネンが入っていると聞くと「ごわごわするのでは」と思われる方もいるかもしれません。

ところが実際に手に取ると、その印象は大きく変わります。

ビスコースのなめらかさがリネンの質感をやわらかく包み込み、触れた瞬間から手になじむ感触があります。

クラフト系の糸と並べて触ってみると、その差は明らかです。

固さがない。それでいて、頼りなさもない。

編んでいるあいだ中その感触が続くので、手首や親指への負担がまるでちがう。

バッグを編み終わったあとも、手が悲鳴をあげない糸を、私はずっと探していました。

仕上がりに出る、素材の差

編み上がったバッグを手にしたときにも、この糸ならではの表情があります。

クラフト系の糸で編んだバッグには、いわゆる「カゴ感」が出ます。それはそれで魅力ですが、合わせる服やシーンを選びます。

一方、ティック リーネで編んだバッグには、ビスコースの光沢とリネンのマットな質感が重なった、奥行きのある表情があります。春の軽やかな装いにそのまま馴染む、上品な仕上がりです。

持ち手を握ったときの感触も、クラフト系とはちがいます。手に食い込む固さがない。

それでいて、くたっとしない。

この絶妙なバランスも、素材がやわらかいからこそ生まれます。


初めてバッグを編む方にも、経験者にも

このキットのパターンは難易度やさしめに設定されています。

使う技法は細編みと中長編みが中心で、底を往復編みで編み始め、そこから側面を立ち上げていく構造です。

形になっていく過程がわかりやすく、編み進める楽しさが途切れません。

サイズはスモールとラージの2種類。スマホ、お財布、鍵——必要なものだけをさっと入れてちょっとした外出に出かけるなら、スモールサイズがちょうどよい相棒になるはずです。

かぎ針でバッグを編んできた方には、ぜひ一度この糸の感触を体験してほしいと思っています。「バッグを編むとこうなる」という思い込みが、きっと変わります。

再入荷しました——ただし、数に限りがあります

前回入荷分はあっという間になくなりました。

今回も数に限りがありますので、気になっている方はお早めにご確認ください。

日本語パターン付きで、購入後すぐにダウンロードいただけます。


執筆者:北林 裕美子(micono神戸元町本店
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