既製品では出会えなかった一枚が、自分の手で編める理由

既製品では出会えなかった一枚が、自分の手で編める理由
目が肥えれば肥えるほど、既製品に満足できなくなる。

素材が惜しい。縫製が雑。デザインはいいのに、どこか「もう少し」が叶っていない。

だから結局、買わない——編み物好きの方なら、一度はそんな経験があるのではないでしょうか。

でも同時に、こんな感覚もありませんか?

「自分で編んだものは、どこか既製品に負けている気がする」

目が肥えているからこそ、自分の作品に一番厳しくなってしまう。

その「違い」の正体と、解決策をお伝えします。

ウーマンズレースベスト着用コーディネート正面。上品なグレーの透かし模様ベスト

仕上がりを決めているのは、腕ではなく糸だった

どれだけ丁寧に編んでも、糸の撚りが甘ければ模様はぼやける。

素材が伸びやすければ、仕上がりは崩れる。

編み手の腕ではなく、糸が結果を決めていることが、実はほとんどです。

毛糸業に携わって十数年。

お客様から「うまく編めない」というご相談をいただくたびに、編み方よりも先に糸を確認します。

そして多くの場合、糸を変えるだけで仕上がりが劇的に変わります。

ソックヤーンがベストに最適な、意外な理由

今回ご紹介する《ウーマンズ レース》キットに使われているのは、ソックヤーンです。

靴下を編むための糸——と聞くと意外に感じるかもしれません。

でもこれが、ベストの素材として理にかなっています。

靴下は摩擦と洗濯に耐え続けるものです。

だからソックヤーンはしっかりと撚られ、伸びにくく、型崩れしない。その特性がそのままベストの仕上がりに活きます。

ウーマンズレースキットの編み目クローズアップ。ソックヤーンの確かな撚りにより透かし模様と縄編みが鮮明に浮かび上がっている
編み目のひとつひとつが、くっきりと美しく浮かび上がります。透かし模様も縄編みも、ぼやけることなく際立つ。それがこの糸だからこそ出せる仕上がりです。

主張しすぎないのに、近くで見ると息をのむ

ウーマンズレースベスト着用横姿。腰まですっぽり隠すロングタイプのベストは着こなしやすい。
上品なグレーが、手の込んだ模様を静かにまとめています。

羽織っても主張しすぎない。でも近くで見ると、編み目の美しさに気づく。

「どこで買ったの?」と聞かれて、「自分で編んだの」とさりげなく答えられる——そんな一枚です。

裾は腰までしっかり隠れる丈。

春先の朝の冷え、夏場のクーラー対策、秋口の羽織り、冬のインナーベストとして——一年中手放せない一枚になります。

国内ではmiconoだけ。日本語翻訳パターン付き

着用写真 後ろ姿。 光にあたった編地がより美しく浮かび上がっている。
海外パターンは文章形式で書かれており、原語が読めないことが最大のハードルです。

miconoではメーカーの許可を得て、海外の公式文章パターンを日本語に翻訳してご提供しています。

この日本語パターンが入手できるのは、国内ではmiconoだけです。

日本語の文章を読みながら、安心して編み進めていただけます。

今から編み始める理由

編み物には、仕上がるまでの時間があります。

「いつか編もう」と思っているうちに、着たい季節が来てしまう。

手元に置いておきたいシーズンに間に合わせるために、動き出すなら今です。


執筆者:北林裕美子
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