靴下を編む糸といえば「ソックヤーン」。
そしてソックヤーンといえば「ナイロン混で丈夫な糸」と思っている方が多いはずです。
しかし実は──
天然素材100%で靴下が編めるソックヤーンが存在するということをご存じでしょうか。
ナイロンが苦手な方、自然素材にこだわりたい方、上質な靴下を編みたい方にとって、きっと新しい発見になるはずです。
■ ソックヤーンとは?一般的な特徴とナイロンの役割
ソックヤーンは、本来「靴下のために作られた専用糸」です。
靴下には日常的に大きな負担がかかるため、次のような特性が必要になります。
- よく伸びる
- 擦れに強い
- くり返し洗っても縮みにくい
- フィット感が保たれる
この「強さ」を持たせるため、ウールにナイロン(ポリアミド)を混紡する糸 が一般的です。
ナイロンは軽くて強度が高く、靴下用途には最適な素材とされてきました。
■ 天然素材100%のソックヤーンはどうして強いの?
ここからが本題です。
天然素材100%のソックヤーンは、植物繊維の持つ“しなやかな強度”を利用 して強さを生み出します。
代表的なのがこちら:
● バンブー(竹繊維)
湿気に強く、軽くてしなやか。
摩擦への耐性があり、ナイロンのような役割を補える。
● リネン(亜麻)
強度が高く、水に濡れるとさらに丈夫になる特性。
靴下に必要な耐久性を自然素材で実現できる。
これらをメリノウールやコットンと組み合わせることで、
化繊に頼らずとも靴下の耐久性を満たす糸が誕生します。
■ おすすめの天然素材ソックヤーン 2選
ここからは、実際に「天然素材だけで靴下が編める」
人気の2種類をご紹介します。
◆ Pascuali(パスクアリ)|FOREST(フォレスト)

スーパーファインメリノ × コットン × バンブー
特徴:
- バンブーが強度を補い、ナイロンに頼らない設計
- 肌ざわりがとてもやわらかく、軽い
- 自然素材らしい落ち着いた色合いが魅力
- 靴下だけでなくショール・帽子にも向く万能糸
ウールの温かさに、バンブーのしなやかさが加わった「ナチュラルで上質な靴下糸」です。
◆ Amano(アマーノ)|CHASKI(チャスキ)

メリノ60% × ピマコットン30% × リネン10%
特徴:
- リネンがしなやかさと耐久性をプラス
- ピマコットンの高級感ある柔らかさ
- 蒸れにくく通年快適
- 靴下はもちろん、ベビー用品にもおすすめ
「通気性 × 温かさ」という相反する要素を両立した、季節を問わず使える糸です。
■ 「コットン=夏糸」ではありません
コットンやバンブーが入っていると“夏向けの糸”という先入観を持たれがちです。
しかし実際には、
- 冬のブーツの蒸れ
- 足先だけ汗ばむ冷え性
- 長時間歩く日のムレ感
- 化繊の刺激が苦手な方の不快感
これらを自然素材が緩和してくれます。
天然素材特有の「調湿性・通気性・保温性」のバランスは、季節を問わず快適さを支えます。
■ 靴下以外にも幅広く使える万能素材
天然素材ソックヤーンは肌あたりがやさしいため、
次の作品にも向いています。
- 手袋
- ショール
- ベビーアイテム
- ハンドウォーマー
- ネックウォーマー
“通年使える上質素材” という点で、使い道の広さは一般的なソックヤーン以上です。
■ 天然素材ソックヤーンは「快適さ」で選ぶ時代へ
ナイロン混ソックヤーンが標準になっていた時代から、いまは 自然素材だけで快適に履ける靴下 を編べる時代。
- 肌にやさしい
- 蒸れにくく快適
- 上質で長く使える
- 通年活躍する
- 靴下以外にも応用できる
天然素材ソックヤーンは、素材を大切に選びたい方にこそおすすめしたい選択肢です。
毎日いちばん長く触れている“足もと”から心地よさを整えてみませんか。
まずは、お好みの色や素材感から「自分に合う1玉」を選んでみてください。
その1玉が、快適な毎日の始まりになります。